|
ぷち・さだだ劇場夏休み企画!?
双子星章ガミラス編1 |
|||||
|
夏休み特別企画!? 双子星章
ガミラス編1まだ序の口 真田が目を覚ましたやたらと無駄に広い部屋にぽつんとおかれたベッド。その前に立っているのは明らかにガミラス帝国の軍服を着た、見たところ位の高そうな男だ。真田自身はデスラーの顔は分かれど他の連中の顔は知らない。彼は深々と真田に頭を下げ、神経質なまでに完璧に折り畳まれた艦内服を枕元においた。その礼儀正しさから、思わず真田がぺこりと頭を下げると、ぷちさだだもぺこりとおじぎをしてみる。ちなみに、相当な科学力を誇っているガミラス人でさえ、ぷちさだだは見えない。ガミラス人は地球人によく似ているせいかもしれないが、とにかく見えてはいない。 「私はタラン。デスラー総統の副官を長年務めており、この艦隊の将軍職を総統より拝受いたしておる者。母星へ帰る途中、貴殿が宇宙空間に浮遊しているのを見かけ、その服装からヤマト乗組員と察した総統が救助を命ぜられました。貴殿はヤマトの技師を担当されている、真田志郎技師長と察しますが」 口ひげをもごもご動かしながらタランがしゃべる。どうして初対面の真田の事を知っているのか、真田はいぶかしい顔つきで渡された艦内服を着た。左腕がないのに実に器用に。 「いかにも、私はヤマト技師長:真田志郎。救助して下さってありがとうございます」 「して・・・腕をどうされました?見たところ、貴殿の四肢は機械の様ですな」 真田の左腕はヤマト第一主砲に挟まった破片を取り除いたときのまま、だらんと垂れた袖が痛々しい。かくかくしかじかと先の戦いでの出来事を述べる真田。温和な顔でそれを聞いているタランにはぷちさだだからすれば「いいおやじ」らしく、嬉しそうに、ひたすら無駄に広い部屋を優々と飛び回っていた。入り口に立っている給仕の前でおしりぺんぺんなどをしてみるが、やはり見えてはいない。 「こちらで腕を作ってさしあげましょう。いやいや!皆まで申されるな、貴殿を助けたのも何かの縁。なぁに、我々の科学力をもってすれば、義手の一本や二本雑作もないこと。むしろより性能の良い義手を進呈させていただきますぞ。もはやヤマトとガミラス帝国は友好関係にある以上、それくらいのことはしても当然。デスラー総統がお喜びになって下さる」 どうせ俺の作った義手はお前らからすればちゃちに見えるだろーよと真田の目が据わっていた。同時にぷちさだだが猛スピードで戻ってきてタランを睨み付けた。どうも彼の勝手な申し出が気に入らなかったらしい。 「あぼーん( ̄个 ̄) /」 ぷちさだだが『ポカリ!』と真田の頭をバトンで叩く。同時に真田は大きなため息をついてふかふかのベッドからおりた。きちんとそろえられた靴を静々と履き、立ち上がったとたん、タランに疑惑の目を向ける。 「な・・・何か気に障るような事を申しましたかな・・・」 「お断りする」 語気強い物言いに、ひたすら無駄に広い部屋の入り口に立っていた給仕が、顎が外れそうなほど唖然とした。手に持った盆がひっくり返りそうだ。将軍の申し出に歯向かえるのは、ガミラス人においてはデスラー以外に考えられない事だ。 「ふん、青い腕などつけてもらっては迷惑千万」 「な、何も青と決まったわけでは・・・」 やたらと小心者のタランは若干退け腰になった。真田はヤマトの中でもかなり身長が高く、大男の多いガミラス人にひけを取らない。退け腰になったタランを上から襲いかかるかのように迫り寄る。 「だいたい科学力を過信し、それをひけらかす、その態度がなってませんぞ将軍!・・・はぁ〜、なるほど、貴男は私が気を失っている間に私の脳を調べ、私の記憶を覗き見したんですな。だから私の所属も名前も知っていた。間違いない!」 「そ、そんなことをするわけがない!!私は以前そちらからいただいたヤマト乗組員のデーターベースを・・・」 びびっと指を指されたタランが頼りない声で反論するも真田には聞こえていない。 「おかしいですな。ガミラスは歴史上数々の異星人を攻め、その技術を模倣してきたそうではないですか。ま、まさか!!まさか波動砲の技術まで盗もうとしてるとはっ!!」 タランはデスラーが乗せた客人に失礼のないように、あらかじめ一生懸命ガミラスが知る限りの彼の情報を頭にデータを叩き込んで真田の前に立っていたのだ。データ上、真田は非常に切れ者で礼儀正しく義理に熱く、面倒見の良い科学者・・・のはずなのだが。あまりに気を使い過ぎた上に、学んだことが全て無駄になっている状況に我慢がならなくなったタラン。 「だれがそんな事を!デスラー総統率いるガミラス帝国は全宇宙で一番の技術を誇る大帝国!!な〜にが悲しくて地球人の下等技術を模倣する必要がある!」 押されてばかりだったタランがガミラス人のプライドをかけて大声で反論した。異様に無駄に広い部屋にこだまするタランのどなり声と怒ってもまだ青い顔の人間にぷちさだだが一瞬ビビって真田の頭に隠れた。しかし、一度ぷちさだだのバトンで頭をたたかれた真田は容易にもとには戻らない。相手を嘲るように、目を細めて見下した視線を送った。 「ほぉ〜〜、本音が出ましたな。総統自ら友好関係に乗り出した地球人に対して失言ですぞタラン将軍!・・・・ま、あとで古代から、我々地球人なぞ、ガミラス人に比べれば、チンパンジーに等しいとタラン将軍が言ってました〜〜〜!・・・と伝えてもらうとして・・・」 「い、いや!いや!待って下され、そ、その・・・デスラー総統には・・・ごかんべんを!!この通りですっ!!」 デスラーに告げ口すると言われ焦ったタランはその場にひれ伏す。あり得ない状況にもはや給仕は気を失ってしまった。 「ま、人間と猿のDNAの違いはほんの1%にも満たない違いだけであとは一緒なんですがな。おっと、そんなことはガミラス人には知る必要もない事ですな。はっはっは!!・・・・して、この艦はガミラス本星に向かっていると察するが」 「さ、さよう・・・」 「あぁ〜それはちょうどいい。本星につく前にイスカンダルへと寄ってくださいませんかな?私の親友がおりますので。目前まできて通過するは親友の名折れ、ちょっと挨拶をしていきたいのですが、よろしいか?」 疑問系で聞いて入るが、その目は明らかにノーとは言わせないといった風だ。ガミラス戦艦はタクシーじゃないんだぞ!!と内心思ったが、とんでもない人物をのせてしまったとかなり後悔しているタランにもはや言い返す気力はなかった。 「・・・なるほど。イスカンダルにいる地球人は彼の親友なのだね・・・」 「い、いかがいたしましょうか・・・総統」 若干迷惑そうな面持ちでタランが呟くが早いか、デスラーのマントが翻った。びびっと白い手袋が艦橋で輝く。 「へ?」 「全艦、イスカンダルへ進路変更!」 ーーーええ〜〜〜全艦って!!ただでさえ燃費が悪いのに全艦って!べつに艦載機とか宇宙艇とかで向かわせりゃいいだろーが。だいたい自分をふった女の所によくまぁ行く気になれるもんだ!ーーー 心で思っても口に出せないタランは激しく心の中でリピートした。 「親友に礼を尽くすその美しい姿・・・我々も見習いたいものだな。ふっふっふ」 タランは遠い目で流れ行く宇宙を見つめた。親友に礼を尽くすって言うなら、こっちにも礼をつくしやがれと思ったものの、先の失言をひけらかされる事を恐れ、やっぱり言えない小心者だった。 |
|||||