ぷち・さだだ劇場夏休み企画!?
双子星章ガミラス編2最終話
夏休み特別企画最終話
真田を乗せた宇宙艇がガミラス本星に到着する。かつてここで壮絶な戦いを繰り広げたガミラス人と地球人が今、半ば戦友として顔を合わせるようなことになるとは誰が想像できただろう。未だ再建叶わずのガミラス本星は、あのときのまま、失われた柱の数々が散乱し、活火山の熱によって空洞惑星内部は高温のままだった。出来合いの館らしき所に通された真田を待っていたのはデスラー。副官であるタランがつい先日のことを思い出し、若干不可解な顔で真田を見つめた。そりゃぁそうだ、普通の真田はいたって真面目で落ち着きがあり、礼儀正しく、無駄がない。
「いかがかね?再びここへと訪れた気分は・・・」
窓辺に立つデスラーは人払いのサインを送ると真田をソファへと促した。恭しく頭を下げてタランが下がると同時に、マントを翻して着席するデスラー。
「こうして、改めてここにくると・・・戦争の悲惨さを痛感します。ここで死んでいった多くの仲間たちと、ガミラス人の皆さんが・・・泣き叫んでいるようにさえ思えますよ」
給仕の運んできたワインを片手に、デスラーは苦笑いをしながら真田にグラスを傾ける。一方のぷちさだだはデスラーの目前でまじまじと彼の顔を見つめながら大きなあくびをしてみせた。もちろん、デスラーにさえも、ぷちさだだは見えてはいない。
「今の我が星は確かに目も当てられない状態だが・・・母星を失っても挫けるような人類ではない。私がいる限りね」
たいした自信だ。そしてまたどこかの星を征服するつもりなのかと思うとちょっと恐い。やはり真田は正義の人間だ。デスラーの一言で若干の怒りを覚えた。と同時に、デスラーの目前で大あくびをこいていたぷちさだだが反応した。どうも、ドゥルゥ〜〜〜ドゥルゥ〜〜〜〜としつこく鳴るその音自体がぷちさだだには気に入らなかった。温和に話をしているうちは良かったが、真田の気分が優れなくなったのをいいことに、真田より先にぷちさだだが切れた。
『あぼ〜〜〜ン凸( ̄∩ ̄#』
静かにグラスをテーブルに置いた真田。だいたいこのごつごつしたグラス自体が腹が立つ!とまでは言わないが、ふつふつと込み上げる怒りが呟きに変わる。
「また・・・地球の様に、他星人の住む星を侵略して・・・支配するおつもりですか・・・」
「・・・君たちと我々とは、似てはいるがやり方は様々。地球には迷惑をかけるつもりはないのだ、放っておいてくれたまえ。君とて見れば分かるだろう。この星に残されたのはわずかなガミラシウムと活火山だけ。これで何ができるというのかね?」
デスラーはさして真田の変容ぶりに疑問は抱かなかった。まぁ、彼のことを知らないというのもあるが、やはり総統の威厳からか!?
「おーおー!できますぞデスラー総統!ガミラシウムは高濃度の硫黄を含み、そして活火山の力!!・・・少し頭をひねれば分かることですな!」
「何・・・・?」
デスラーの額でピキッと音がした。未だかつて、デスラーに大して横暴にも反論を唱える者がいただろうか?ヒスですら提案こそすれ反論はしていなかったではないか。
「温泉を開けばいい!」
「おん・・・せん!?」
「さよう!ガミラス温泉!なんなら地球から卵と鶏を支給して温泉卵も売り出すと良いですな。宇宙中にチラシをばらまき、TV放送でCMを流す・・・ふふん」
満足げなぷちさだだが想像豊かに演出したおかげで、この瞬間の真田とデスラー二人の頭の中はこうだ。

ハッピ姿の番頭タランが揉み手で客を迎える。あらゆる星から客が押し寄せ、大賑わいだ。デストロイヤー艦は送迎艦となり、戦闘艦は花火大会用の発射台。宴会場では給仕がそそくさと膳を運び、女将ならぬデスラーは客間の一つ一つへの挨拶に忙しい。裏手ではシュルツ艦隊の一同が温泉卵の採取に忙しく、厨房ではドメルがはちまき姿で懐石料理を盛る。

「ま、売上げは見込めるでしょう。そうしたら星の再建などこれっぽっちも大変ではなくなりますなぁ。あ〜そうそう、間違っても温泉に入浴剤を入れて、湯の色を青くしようなどという姑息な手段はいけませんぞ。それくらいはしそうですがなぁ〜」
ソファにどっかとふんぞり返って言いたい放題の真田。ここに、ボタンがあれば、『ピ・ストン』の刑に処されるところだ。現にデスラーは武器を携帯していなかった事を後悔し、またタランをこの場から去らせた事を悔やんだ。わななくデスラー・・・やがて、本当にピキッという音が外から聞こえ出した。
「言わせておけば・・・ヤマトの乗組員だと思って好き勝手に・・・!!」
が、しかしである。にわかに床が震え出していることに気付く。そこに血相かえてタランが駆け込んできた。
「そ、総統ーーーー!た、大変です!!海底火山が噴火の兆しを・・・地底温度が急激に上昇し、このままでは危険です!どうか艦へお逃げ下さい!!」
「な、なんだと!!」
やがて立っていられないほどぐらぐら揺れるガミラス本星。
「・・・んーなるほど、これは面白い。デスラー総統の怒りがすなわちガミラス星の活火山に直結しているということだ!ははははは!なんだそう言うことだったのか!だったらヤマトが勝つわけだ。ガミラス星は自業自得ということですなぁ〜〜総統も相当大変で。なぁ〜〜はははは!!」
もともと青い顔がさらに青くなるデスラー。たまらずタランがデスラーを抱えて戦艦の方へと引きずっていくのだった。高笑いをしていた真田の周りでいよいよぷちさだだが焦り出した。そこら中にヒビが入ってきたのである。崩れ落ちてゆく天井・・・そして、次から次へと脱出してゆくガミラス艦隊。やがて、取り残された、というより居残った真田のいる館が巨大な岩によって押しつぶされてゆくのだった・・・。