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昼メロ劇場 第十九話
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第二十話:
警察病院の廊下を走り抜ける志郎の姿があった。その後ろを南部、相原が追っていたが、守の部屋の入口で二人は警官に止められてしまった。 「ちょっと!俺達も関係者ですよ通してくださいよ!」 「・・・・・・」 警官達の無言の重圧に返す言葉もなく、部屋の外のソファにへたり込む二人の前に項垂れた進が現れた。 「古代さん!ど・・・どうしたんです?びっくりしましたよ・・・何があったんですか?」 南部が声をかけたが、無言のままの進を相原がソファに座らせた。 「お前達仕事はどうしたんだよ。来ても仕方がないだろ」 「水くさいなぁ古代さん。一大事だって言うのに仕事なんて・・・」 「良いんですよ、仕事なんてどうせ暇だし。俺なんかオヤジの手伝いですから」 「お前達には関係ないと言ったんだ!とっとと帰れ!」 凄い剣幕の古代を前に二人は待たしても返す言葉を失った。その時。 「そんな言い方・・・古代君らしくないわ・・・」 藤堂のおかげで幕の内の電話の真相が分かった雪も病院に駆けつけていた。守の着替えと看病につきそう覚悟で食料と金を持って。 「古代君、私もつきそう。・・・一緒にいさせて」 「雪・・・」 「貴方は一人じゃないわ。私たち仲間でしょ?関係ないなんて・・・言わないで」 雪の登場で進が落ち着きを取り戻したのは言うまでもなかった。 一方、病室では天井をじっと見つたまま、拘束状態でベッドに横たわる守を見つめる志郎がいた。 「古代・・・すまん。もっと俺がしっかりしていればこんな事にはならなかったやもしれん」 「状況は変わらんですな。相手が悪い・・・。真田さん、あなたはたしか南部電気の商品開発をされてるんでしたな」 「はぁ。それが何か?」 「それでは、ガミラス電気はご存じでしょう・・・」 土方が志郎にパイプの丸椅子を勧めながら志郎の顔を覗き込んだ。 「ガミラス電気の社長の婚約者と古代が駆け落ちしていたことと、これが関係していると言うわけですか?」 「あぁ、なるほど、駆け落ちですか。そういうことでしたか」 余計なことを言ったかもしれないと志郎の額に冷や汗が垂れた。土方は表情一つ変えずに淡々と続けた。 「麻薬ルートを洗っていたら、この男・・・あ、いや守君の周辺を嗅ぎ回っていた者達が上がりましてな・・・守君はてっきり口封じされた運び屋かと思ったのですが、違ったようですな」 「ガミラス電気とどういう関連が?」 「いや、失礼。なんでもありません。これには深入りせんほうが身のためですよ。世の中には聞かない方が良いことがたくさんある。一応手続きがありますので、これから新宿暑へ来てくだいませんかね?車を出してきます」 土方は駐車場へ向かった。病室を出た志郎は南部、相原と病院の入口へ向かった。 「じゃぁ、ガミラス電気がやったって言うんですか?そんなブラックな会社なんだ、ガミラスって」 「詳しくは分からんよ俺も。まるで悪い夢を見ているみたいだ・・・ここ数ヶ月。まぁ、ともかく新宿暑へ行くよ。お前達は社に戻って、俺は早退したことにしてくれ。この事は誰にも言うなよ」 「まかしてください。オヤジには上手いこと繕っておきますから」 志郎の口からため息が漏れた。これから大作アニメのWeb配信権の入札を巡って、ガミラス電気と戦わねばならない志郎。嫌なところで嫌な名前を聞いたと頭を抱えた。それだけで済むならまだ良いのだが・・・。 一年で一番日が落ちるのが早いこの時期、加藤が花園神社の公園に来たときはもう真っ暗だった。小さな声だが、山本の声で歌が聞こえる。 「Everythin' That's all rihgt Brother・・・この宇宙(そら)のどこかで、また巡り会えるさ・・・Everythin' That's all right Brother・・・別れる日が来ても俺達はさよならは・・・」 「言わない・・・ってか?」 「加藤!」 ベンチで寝ころんでいた山本が飛び起きた。 「ばーか。何やってんだよ、こんなくそ寒い公園でしけた歌歌いやがって。ベンチに寝ころんで星見てる暇があったら部屋と風呂場の掃除でもしろっ!」 「お前こそ店ほったらかして何やってんだよ」 「おん出されたんだ。お前とクリスマスパーティーでもしろとな」 ベンチ脇の街頭でお互いの顔を確認すると、二人ともあまり顔色が良くないのが分かって苦笑した。 「帰るぞ。たまには一緒に鍋でもつつこうぜ。何はなくとも飯は食えってな」 「ケーキも買って良いか?」 山本の問いに加藤が頷く。鍋と言ってもマンションの近くのコンビニで買ったアルミ箔制の鍋に具が入った物だが、久方ぶりに顔を合わせた二人は何事もなかったかのように今まで通りふざけながらマンションへと歩いていた。ずっと後ろからつけていたベンツが神田川公園沿いで二人を抜いて止まった。 「ちょっと、そこのお兄さんら」 ベンツから降りてきた男にいけ好かない声をかけられて立ち止まる二人。 「なんか用でも?」 「お宅ら、黒虎の店員さんだね?No.1とNo.2だって?」 顔をしかめる加藤。加藤はこの男達が自分を四郎と間違えているのだとすぐに解った。山本が前に出る。 「それがどうした。だれだお前ら」 もう一台のベンツが後方で止まり、男達が数人出てきて二人を取り囲んだ。スナップが聞こえると一斉に襲いかかる。 「加藤!逃げろ!ヤバイ!!」 「ばかやろう!山本!お前こそ行け!・・・ちくしょうなんだてめぇら!!ドメラーズか!」 鍋の具が、ケーキが道路に散らばった。相手は一帯何人いるのか、手に負える人数ではなさそうだった。ちょっとは腕に覚えのある二人は何度も男達を蹴散らした。ゴミ集積所に飛ばされた加藤がそこで見つけたビール瓶を手に応戦していたとき、山本は懐に携帯していたバタフライナイフを手際よく開いて加藤の前に滑り込んだ。 「ふざけんじゃねぇ!」 つづく 次回予告:加藤と山本はどうなる!? |
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